火災保険の補償【大雪・雹災】
大雪時に起こる恐れのある雪災や雹災などに関して、適用される火災保険の補償範囲や費用、受け取れる保険料などを紹介します。
大雪(雪災)・雹災被害の保険費用
火災・落雷・破裂・爆発に次いで多くの火災保険で必須補償に含まれていて、既製プランのある商品でも除外できないのが雪災や雹災です。そのため見積シミュレーションを行って火災・落雷・破裂・爆発と雪災・雹災・風災の2パターンだけを選べるプランで保険料の相場をチェックしてみました。条件は以下の通りです。
- 所在地/東京都
- 建物構造/一戸建て(T構造)
- 保険金額/1,000万円
- 補償範囲/火災・落雷・破裂・爆発+雪災・雹災・風災
- 契約期間/5年
ここから保険料相場を導き出すと、13,000円台から20,000円強といったところになります。
火災保険における大雪、雹災、雪災の補償範囲
雪災・雹災とは、文字通り雪や雹による被害に関する補償です。
雪災・雹災という項目に関して、一般的には以下のようなケースで保険金が支払われます。なお、建物・家財それぞれ、あるいは両方を保険の対象にしていることが条件です。
建物 | 家財 | |
---|---|---|
雪災 | 雪の荷重や落下、雪崩などにより建物に被害があった場合 | 雪の被害に伴って室内の家財に被害があった場合 |
雹災 | 雹によって屋根や壁、ガラスなど建物に被害があった場合 | 雹の被害に伴って室内の家財に被害があった場合 |
具体的に補償がされるのは以下の通り
- 雪の重みで屋根が壊れたケース
- 積雪の圧力で窓ガラスが割れたケース
- アンテナや雨戸、ソーラーパネルが大雪で壊れたケース
- 給湯器や室外機が雪や雹で故障したケース
雪が多い地域なら雪災のリスクも高くなります。しかし、融雪水や凍結、あるいは除雪作業によって被害に遭った場合は補償から外れる場合も。
例えば、雪解けで洪水や地滑りが起こり、建物や家財に被害が出た場合、雪災・雹災ではなく「水災」になります。
自宅の屋根から雪が落ちて隣家の屋根や窓が壊れた場合、被害を受けた隣家の火災保険を使用します。自らの火災保険から雪災・雹災の補償を使うことはできません。
大雪(雪災)・雹災被害の保険金
雪崩や台風による被害では、建物が全壊する可能性もあります。しかし雹災や雪災という災害の場合、建物の一部が損壊するケースの方が多いでしょう。
火災保険の公式サイトでは保険支払事例がいくつか掲載されているので、その中からピックアップしたものを紹介しておきます。
- 積雪で車庫の屋根が破損した事例/保険金24,000円+臨時費用7,200円=31,200円
- 雹で窓ガラスが割れた事例/保険金135,000円+臨時費用40,500円=175,500円
なお、これらはいずれも自己負担金が0円のケースで、自己負担金額によって受け取れる保険金額も変わってきます。
大雪(雪災)・雹災被害の必要書類
保険金請求書と事故状況説明書は必要事項を自分で記入し、修理見積書は修理会社に作成してもらいましょう。ポイントはできるだけ多くの修理会社から見積りをもらい、見積額や信頼度を比較すること。
損害物の写真に関して屋根などの危険な場所は、修理会社に依頼して撮影してもらうようにしましょう。
記載した必要書類を保険会社へ提出した後、保険鑑定人、保険会社が現場調査を実施。調査を経て、支払われる保険金額が決定されます。