火災保険の補償【漏水・水漏れ】
給排水設備のトラブルによる水漏れ、漏水に関して、火災保険の補償範囲やかかる費用、受け取れる保険料などを紹介します。
非自然災害の水のトラブル、水漏れや漏水の火災保険の費用
火災保険の多くのプランでは水漏れ、漏水は独立した項目になっている商品よりも物体の衝突や騒擾などと一緒にグルーピングされているパターンが目立ちます。また、自然災害を除外したプランがある商品では標準で水漏れ、漏水に対応しているものがあります。
なお、見積シミュレーションでは火災、落雷、破裂・爆発と風災、雹災、雪災に加えて水漏れ、漏水を含むプランで保険料の相場をチェックしてみました。条件は以下の通りです。
- 所在地/東京都
- 建物構造/一戸建て(T構造)
- 保険金額/1,000万円
- 補償範囲/火災、落雷、破裂・爆発+風災、雹災、雪災+水漏れ、漏水他
- 契約期間/5年
ここから保険料相場を導き出すと、17,000円から23,000円前後といったところになります。
また、一部には火災、落雷、破裂・爆発と水漏れ、漏水を含む補償の2項目を選択できる火災保険もあり、こちらを同条件で試算してみると保険料は13,000円から15,000円程度となります。
火災保険における水漏れ、漏水の補償範囲
火災保険で水漏れ、漏水といった場合、給排水設備に関連するトラブルを指し、自然災害による水害は含まれません。
建物 | 家財 | |
---|---|---|
水漏れ、 漏水 |
給排水設備によるトラブルなどで建物が被害を受けた場合 | 給排水設備によるトラブルなどで家財が被害を受けた場合 |
なお、給排水設備自体の損害が補償範囲に入るかどうかは商品ごとにチェックをしておく必要があります。また、給排水設備の老朽化や劣化が原因の場合、補償されないことも憶えておいてください。一般的な保険の考え方は予測不能で突発的に起こるトラブルに備えるもの。設備の劣化は十分予測できるので、補償対象外となるわけです。
マンションの場合、他者所有や共有部分の給排水設備が水漏れ、漏水の原因となることがあります。契約内容や状況にもよりますが、自分が被害を被った場合は補償対象となり、自分が加害側の場合は補償対象外となる傾向があり、後者をカバーするには個人賠償責任特約といったオプションを契約しておく必要があります。
上でも触れたように水漏れ、水濡は自然災害による損害は含まれないので、風災・雹災・雪災や水災に分類されるトラブルだと、暴風雨などによる被害なら風災が適用され、洪水などの被害なら水災を契約に含めていないと補償対象とならないわけです。
火災保険における水漏れ、漏水の保険金
水漏れ、漏水のトラブルは建物構造によって被害状況が大きく変わってしまう傾向があります。マンションで上階に住んでいる場合、自分の所有部分で水漏れを起こすと直下の部屋以外にも被害を出すリスクがあります。一戸建てでも2階にもトイレなどの設備があれば給排水管を配置しているわけで、上階で水漏れがあると下階にも被害が及ぶことは必定です。
なお、火災保険の公式サイトで水漏れ、漏水に関する保険支払事例が掲載されていたケースには以下のようなものがあります。
- マンションの風呂の水が漏水した事例/保険金総額300,000円
- 天井裏の水道管が壊れて漏水した事例/保険金総額711,000円
- 防水パンから排水が溢れた事例/保険金総額896,260円
【人気5社】水漏れ・漏水の補償対応
こちらでは、火災保険で特に人気の高い5社をピックアップして、「水濡れ・水漏れ」の補償内容や保険料について内容を比較してみます。各火災保険に、どのような方におすすめできるのかも記載しているので、火災保険選びの参考にしてください。
三井住友海上「GKすまいの保険」
水漏れ・漏水の補償内容
GKすまいの保険の水漏れ・水濡れの補償では、給排水設備自体の破損は「破損・汚損」によって補償されるため、「水漏れ・漏水」では補償されません。
水濡れと水漏れへの補償は、「6つの補償プラン」「5つの補償プラン」「4つの補償プラン」では補償されますが、「2つの補償プラン」では補償対象外となっているため注意してください。
保険料
- 6つの補償プランの場合
- 所在地/東京都
- 建物構造/木造一戸建て(H構造)
- 保険金額/建物2,000万円、家財1,000万円
- 契約期間/5年間
- 保険料/285,150円
- 5つの補償プランの場合
- 所在地/愛知県
- 建物構造/賃貸アパート全体(T構造)
- 保険金額/建物8,000万円
- 契約期間/5年間
- 保険料/285,150円
- 4つの補償 + 破損汚損プランの場合
- 所在地/大阪府
- 建物構造/鉄筋コンクリート造マンション(M構造)
- 保険金額/建物1,000万円、家財800万円
- 契約期間/5年間
- 保険料/53,150円
「GKすまいの保険」水漏れ・漏水補償の口コミ
以前集合住宅に住んでいたときに、水濡れと水漏れの補償を受けたことがあります。外出から帰ると洗面所から台所まで床が水浸しになっていたのですが、どうやら洗濯機の排水ホースが取れてしまったようでした。階下の部屋を確認したところ、やはり水浸しになっていたので、すぐに三井住友海上に連絡。GKすまいの保険で、被害に遭った部分は全て補償を受けられたので、あのときは本当に助かりました。
「GKすまいの保険」はこんな人におすすめ
「GKすまいの保険」では、4つの補償プランでも水漏れ・水濡れに対応しているので、なるべく保険料を抑えて水漏れに対応したいという方におすすめです。もちろん、6つの補償プランにも対応しており、補償をなるべく充実させておきたいという方にも適しています。
損保ジャパン日本興亜「THEすまいの保険」
水漏れ・漏水の補償内容
THEすまいの保険の水濡れや水漏れの補償は、「ベーシック(I型)」「ベーシック(II型)」のプランでは補償されますが、「スリム(I型)」「スリム(II型)」では補償されません。給排水設備自体に発生した損害も補償対象外となります。
また、屋外やベランダなど、居住部分で発生した水漏れや、給排水管の凍結による被害の場合、設備の自然劣化による水漏れも補償対象外となるため、契約する際には詳細を確認してください。
保険料
- ベーシック(I型)の場合
- 所在地/東京都
- 建物構造/木造一戸建て(H構造)
- 保険金額/建物1,890万円、家財1,000万円
- 契約期間/5年間
- 保険料/262,750円
- ベーシック(II型)の場合
- 所在地/大阪府
- 建物構造/鉄筋コンクリート造マンション(T構造)
- 保険金額/建物1,630万円、家財1,000万円
- 契約期間/5年間
- 保険料/129,000円
「THEすまいの保険」水漏れ・漏水補償の口コミ
マンションに住んでいるのですが、水漏れを起こしてしまったことがありました。そのときは管理会社から直接連絡が入ったのですが、自分では水漏れしていると気づいていなかったので、階下の方からの知らせで分かったようです。THE すまいの保険に連絡すると、管理会社と直接連絡をして手続きを進めてくれたようで、私が関わることなくほぼすべてが解決しました。やはり大手はしっかりした対応なので、安心できます。
「THEすまいの保険」はこんな人におすすめ
「THEすまいの保険」では、保険料がリーズナブルな「スリム(I型)」と「スリム(II型)」では水漏れと水濡れに対する補償がつきません。そのため、ある程度の保険料を支払ったとしても、あらゆるリスクに備えておきたいという方におすすめです。
また、口コミによると対応力が高いようなので、保険会社に全て対処を任せたいという方にも適しているでしょう。
東京海上日動「トータルアシスト住まいの保険」
水漏れ・漏水の補償内容
トータルアシスト住まいの保険の水漏れ・水濡れの補償は、「盗難・水濡れ等リスク」として、盗難、水濡れ、物体の衝突、破壊行為等の4つの補償の中にセットで入っています。
3つの補償プランである「充実タイプ」「スタンダードタイプ」「マンション向けタイプ」のいずれにも含まれているので、どのプランを選択しても水漏れと水濡れに備えることが可能です。
ただし、給排水設備自体に発生した損失は、補償対象外となっています。
保険料
- 充実タイプの場合
- 所在地/東京都
- 建物構造/木造一戸建て(H構造)
- 保険金額/建物1,500万円、家財1,000万円
- 契約期間/1年間
- 保険料/51,770円
- マンション向けタイプの場合
- 所在地/東京都
- 建物構造/鉄筋コンクリート造マンション(M構造)
- 保険金額/建物1,000万円、家財1,000万円
- 契約期間/1年間
- 保険料/12,870円
「トータルアシスト住まいの保険」水漏れ・漏水補償の口コミ
上階からの水漏れを経験したことがありましたが、上の階の方もご高齢で、私もその方も良い対処法が見つからずにパニックになっていました。そんなとき、火災保険で補償されるのでは?と思い付いて、東京海上日動に連絡したところ、とても親切に対応していただけました。不測の事態の中、安心できる対応をしてもらえたことが嬉しかったです。
「トータルアシスト住まいの保険」はこんな人におすすめ
「トータルアシスト住まいの保険」では、3つのプラン全てに水漏れと水濡れの補償がついているので、とりあえず水漏れと水濡れの補償だけは付けておきたいという方におすすめです。
特に、マンションでは水漏れが他人の居室にダイレクトに影響するので、集合住宅に住んでいる方は、トータルアシスト住まいの保険のマンション向けプランが良いでしょう。
日新火災「住宅安心保険」
水漏れ・漏水の補償内容
住宅安心保険は総合型火災保険で、プランは存在していないため、住宅安心保険に加入すると自動的に水漏れと水濡れに対する補償がセットされます。
水漏れ・水濡れ補償の対象外となる条件は、住宅の自然劣化による雨漏りなどの場合です。また、給排水設備自体に発生した損害も対象外となっています。また、自然劣化以外でも、ネズミや害虫による被害で損害が発生した場合も、補償は受けられないようです。
保険料
- 所在地/東京都
- 建物構造/一戸建て(T構造)
- 保険金額/1,000万円
- 契約期間/5年
- 保険料/37,400円
「住宅安心保険」はこんな人におすすめ
「住宅安心保険」がおすすめな人は、住宅をトータルで守ってくれる総合型の火災保険が良いという方です。特約によって補償内容を外すこともできますが、日新火災には「住自在」という組立型の火災保険があるので、補償内容を自分で選択したい方はそちらを選んだ方が良いでしょう。
そのため、総合的に全ての補償が揃っている火災保険を希望する方、補償内容をカスタマイズすることに面倒さを感じる方に向いている火災保険です。
あいおいニッセイ同和「マイホームぴたっと」
水漏れ・漏水の補償内容
マイホームぴたっとでは、水漏れ・水濡に対する補償は、「水ぬれ、外部からの物体落下など、騒じょう」という補償の中に含まれています。補償対象となるプランは、「ワイドプラン」「ベーシックプラン」の2つで、「エコノミープラン」では補償されません。
また、設備の自然な消耗や劣化による水漏れ・水濡れ、ネズミや害虫による被害で水漏れ・水濡れが起きた場合も補償対象外となります。
なお、マイホームぴたっとの保険対象に含まれるものとして、「建物に定着している給排水」という記載があるため、給排水設備自体に損害が発生した場合でも、補償を受けられる可能性があるでしょう。
保険料
ホームページでの試算不可
「マイホームぴたっと」はこんな人におすすめ
「マイホームぴたっと」は、保険料を抑えたエコノミープランでは、水漏れや水濡れが保証されないため、保険料が掛かっても充実した補償をつけておきたいという方におすすめです。
また、多くの火災保険が「給排水設備自体の損害は補償対象外」としているので、設備への補償が受けられる可能性がある火災保険は希少です。そのため、設備についても補償を受けたいという方にも向いています。
その他、トイレや台所、洗面台などの水回りトラブルを解消してくれる「住まいの現場急行サービス」も付帯するので、+αのトラブルに備えたいという方にも良いでしょう。