火災保険の補償【ガス爆発】
ガス機器の誤操作や不注意が原因で起こるガス爆発災害。いざという時のために知っておきたい、保険費用と補償範囲、保険金や申し込む際に必要な書類について紹介しています。
破裂・ガス爆発被害の保険費用
破裂・ガス爆発被害の補償は、火災保険に含まれているケースがほとんどです。セットじゃない場合でも、大体の保険会社はオプションとして破裂ガス爆発被害の補償を用意しているでしょう。それほどまでに、火災と破裂・ガス爆発被害の関係性は密接なのです。 例えば、ガス漏れにコンセントの火花が引火したのが原因で起きた火災の場合、引火時にはガス爆発が起きます。その際の被害・損害を補償してもらえる保険というわけです。
保険料については、破裂・ガス爆発被害の補償を基本補償としている火災保険会社が多いので、基本的に別途料金が発生しません。平均的な保険条件のシミュレーションは以下の通りです。
- 所在地/東京都
- 建物構造/一戸建て(100m2)
- 保険金額/1,500万円
- 補償範囲/火災(破裂・ガス爆発補償含む)、風災
- 契約期間/10年
上記のような一戸建てを例にした場合、長期一括払いの火災保険相場は、木造住宅だと77,000〜140,000円ほど、鉄筋構造住宅だと約33,000〜66,000円ほどです。
破裂・ガス爆発被害の補償範囲風・竜巻被害の補償範囲
「破裂・ガス爆発」の対象となるのは、気体膨張による破裂事故。主にガス爆発事故です。例えば、水道管破裂は気体ではないので、破裂・ガス爆発被害とはみなされません。 また、破裂・ガス爆発被害の補償は基本的に火災保険とセットですが、火災保険に入っていればすべてを補償してもらえるというわけでもありません。
保険のプランには、破裂・ガス爆発被害の対象を「建物」にしているものと「家財」にしているものがあります。初めからどちらもセットになっている火災保険もあれば、オプションでつける必要がある火災保険も存在するので、加入前に必ず内容を確認しておきましょう。
建物 | 家財 | |
---|---|---|
破裂・ガス爆発 | ガス漏れによる引火やバックドラフト現象などで損傷した建物が補償の対象。または、カセットコンロのガスボンベのガス爆発が引火元の火災も含む。 | スプレー缶や消化器、カセットコンロに使用されるガスボンベの破裂によって、破損・故障した家財が補償の対象となる。 |
また、上記のような破裂・ガス爆発被害であっても、故意的な事故の場合や明らかな過失が認められる場合は補償の対象外となります。
補償対象外となるケース
- 危険という認識がありながら使用した古いカセットコンロによるガス爆発
- ガス爆発の恐れがある気体物(スプレー缶など)を火元に向かって使用した
ガス爆発の規模が大きく、第三者(隣人や通行人など)に被害が及んだ場合には、損害賠償責任が発生します。この場合、補償範囲となる保険会社とそうでない保険会社に分かれるので、万が一に備えるなら先に調べておくのがベターでしょう。
破裂・ガス爆発被害の保険金
基本的に、破裂・ガス爆発被害におりる保険金は、損害額から自己負担額を引いた額。自己負担額の割合は、保険会社や契約内容によって異なります。参考までに、保険金がおりた事例を2つご紹介しましょう。
- 料理の最中にコンロが破裂して家が傷ついた事例/保険金総額500,000円
- 消火器の破裂により家電が故障した事例/保険金総額50,000円
家電や家財が傷ついたという小さな損害であっても、あくまでガス爆発事故扱いとなります。また、大きなガス爆発の場合は、破損物の修理費だけではなく、ガス爆発によって飛び散った破片処理の費用に関しても保険がおりますよ。
破裂・ガス爆発被害の必要書類について
破裂・ガス爆発被害の大きさにより、必要な書類は異なります。また、加入している火災保険の内容によっても、提出が必要な書類は変化するようです。主に提出が必要となる書類は以下5つ。
- 保険金請求書/保険金請求者の署名・捺印・事故発生日と発生場所・破裂やガス爆発の原因・保険金受取口座などを記載
- 損害物の明細書/損害物の品名・購入額・購入年月・購入先・損害物の使用用途・保管状況などを記載
- 破裂・ガス爆発現場の写真と損害物の写真
- 損害に関する見積書/建築物の修理費用・破損物の修理費用などの見積・明細書を提出
- 罹災(りさい)証明/消防署や自治体によって発行される証明書を提出
破裂・ガス爆発により第三者を傷つけてしまった場合に必要な書類は、主に提出が必要となる書類は以下2つ。
- 診断書・診療報酬明細書/被害者の診断書・診療報酬明細のほか、通院交通費明細書や休業損害証明書などを提出
- 示談書/損害賠償責任額を示した示談書と、その内容に対する被害者の同意書類を合わせて提出