長い保険期間で契約したほうが保険料はお得
ここでは、保険期間から見た火災保険の選び方について解説しています。少しでもお得に火災保険に加入したい方は、保険期間に要注目。1年ごとに契約更新をするよりも、数年分をまとめて契約したほうが、年あたりの保険料は大幅に安くなります。
長期契約をすると火災保険料は大幅に安くなる
毎年契約を更新する場合と、数年分をまとめて契約する場合とで、保険料にはどの程度の差が生まれるのでしょうか?ある保険会社の火災保険を参考に、長期契約における保険料の割引率を見て見ます。
長期契約による火災保険の割引率の例
契約年数 | 割引率 |
---|---|
1年 | 0% |
2年 | 7.13% |
4年 | 12.09% |
6年 | 14.56% |
8年 | 15.83% |
10年 | 17.59% |
2年分の保険料を一括で払うだけでも、割引率は年間あたり7.13%。10年分を一括で払えば、年間あたり17.59%もの割引率が適用されます。
仮に1年契約の火災保険料が20,000円だった場合、トータルで支払う保険料には、どの程度の差が生まれるのでしょう?以下、上の表をもとにして、具体的な差額を計算してみます。
長期契約による火災保険の割引額の例
契約年数 | 1年あたりの保険料 | 割引額 |
---|---|---|
1年 | 20,000円 | 0円 |
2年 | 18,574円 | ▲1,426円 |
4年 | 17,582円 | ▲2,418円 |
6年 | 17,088円 | ▲2,912円 |
8年 | 16,834円 | ▲3,166円 |
10年 | 16,482円 | ▲3,518円 |
仮に保険期間10年の長期契約をした場合、1年あたりの保険料割引額は3,518円。10年分で35,180円もの割引となります。約8年3ヶ月分の保険料だけで10年間の保証を得られる、という計算です。
長期契約を途中解約すると解約返戻金が返金される
火災保険は、途中で解約することができます。途中で解約した場合には、余分に支払っている保険料が解約返戻金として返金されます。以下、解約返戻率の具体例を見てみましょう。
5年契約の火災保険を途中解約した場合
途中解約のタイミング | 契約1年後 | 契約2年後 | 契約3年後 |
---|---|---|---|
解約返戻率 | 約78% | 約58% | 約39% |
10年契約の火災保険を途中解約した場合
途中解約のタイミング | 契約1年後 | 契約5年後 | 契約8年後 |
---|---|---|---|
解約返戻率 | 約89% | 約50% | 約20% |
転居などに伴って長期の火災保険を解約したとしても、上記のとおり、余分に支払っている保険料は、解約返戻金として返金されます。なおかつ、解約返戻率は決して悪くありません。10年契約の火災保険の場合、契約5年を過ぎれば、余分に支払っている保険料の全額が返金される形です。
少しでも保険料を節約したい方には、1年ごとの更新契約ではなく、長期一括での契約することをおすすめします。
長期年払いという選択肢もある
長期契約の唯一のデメリットが、保険料の全額を一括で納入しなければならないこと。たとえば年額20,000円の火災保険を10年契約した場合、合計で160,000円以上の保険料を一括で納入しなければなりません。
長い目で見ればお得な長期契約ですが、目先の資金の用意を考えると、長期契約にすべきかどうか悩みどころです。
そこで検討してみたいもう一つの選択肢が、長期年払いという方式。保険期間を長期にする一方で、保険料は年ごとに分割で支払うという方式です。長期一括払いに比べると割引率は悪くなりますが、毎年契約を更新するタイプに比べれば、保険料が多少は安くなるのでお得です。
長期年払いの割引率は約5%
毎年契約更新をするタイプに比べ、長期年払いで10年契約をした場合の割引率は、10年トータルで約5%ほどです(保険会社によって異なります)。10年一括払いの割引率が17%以上だったことに比べると、やや見劣りはしますが、それでも毎年契約更新をするよりはお得です。
少しでも長期契約のメリットを享受しつつ、なおかつ、少しでも支払いを楽にしたい方は、ぜひ長期年払いという選択肢を検討してみましょう。
長期契約をしたら時々補償内容を復習するように
長期契約の大きなデメリットの一つとして、契約内容を忘れてしまう、というものがあります。「そんなバカな…」と思う方もいるかも知れませんが、現実として、5年前や8年前に契約した火災保険の補償内容をくまなく記憶している人は、極めて少数派でしょう。中には、保険証券をどこに片付けたのかすら忘れてしまう人もいます。
台風で門が損壊したときに、すぐに保険会社に電話をしますか?
たとえば10年という保険期間で契約した場合、契約が満了になるまでの間に、幾度も台風に見舞われることでしょう。その際、自宅の門の一部が損壊してしまうかも知れません。
そのような事態に直面した場合、果たして多くの人は、即座に「保険会社に保険金を申請しよう」と思いつくでしょうか?ホームセンターで修理グッズを購入して修理して終わり、という方もいるのではないでしょうか?
契約の直後は、火災保険に風災補償があることを、きっと記憶していたことでしょう。しかしながら、契約から数年も経つと、契約内容の詳細を記憶している人は、むしろ少数派です。
長期の火災保険に加入している方は、時々、契約のしおりを見直すようおすすめします。