火災保険の補償【台風・竜巻】
台風・竜巻による屋根の損傷は、火災保険で補償してもらえることをご存知ですか?保険料や補償範囲、受け取れる保険金や申請時に必要な書類についてまとめています。
台風・竜巻被害の保険費用
屋根に及ぶ被害のことを総括して「風災」と言います。風災にあたるのは、瞬間最大風速20メートル/秒の風が原因で起きた強風被害、雹や積雪による被害などです。 瞬間最大風速20メートル/秒とは、主に台風・竜巻によるもの。強風による屋根の破損や飛来物による壁の損害などが対象にあたります。風災補償は、火災保険のオプションとしてつけるケースがほとんど。しかし、火災に比べると風災被害は少ないので、オプションをつけている人は少ないのが現実です。1つ、見積もりシミュレーションをご紹介します。
- 所在地/東京都
- 建物構造/一戸建て(T構造)
- 保険金額/1,200万円
- 補償範囲/火災、風災(台風・竜巻被害含む)
- 契約期間/10年
この物件条件で見積もりシミュレーションした保険料は68,880円です。,000円台から20,000円強といったところになります。
そこまで高い保険料ではありませんが、竜巻が多いエリアになると、内容は大きく変わります。同様の住宅条件で、所在地が北海道だった場合の保険料は93,480円、秋田県だった場合は118,080円、高知県は119,040円、宮崎県は195,840円、鹿児島県は214,560円、沖縄県は225,360円です。
保険料は高くなってしまうものの、これらのエリアは1991~2015年の間に20件以上もの竜巻が発生しているので、住んでいる人は風災オプションのついた火災保険に入っておいて損はないでしょう。
台風・竜巻被害の補償範囲
台風・竜巻による被害の補償範囲は明確に決まっていません。基本的には、強風による屋根の損傷すべてが台風・竜巻被害の対象となるものの、経年劣化の度合いによって原因が台風や竜巻であるか、そうでないか判断されます。
建物 | 家財 | |
---|---|---|
台風・竜巻被害 | 台風や竜巻で瓦が飛ばされたり、屋根の一部が剥がれ落ちたりした場合。 台風や竜巻で飛んできた飛来物が屋根あたり、穴が開いてしまった場合。強風による屋根破損で起こった雨漏り被害も含む。 | 屋根に取り付けたアンテナが強風により壊れてしまった場合。台風時の飛来物や強風によるカーポート・ベランダ家財・テラス家財などの破損被害も含む。 |
補償対象外となるケース
- 台風・竜巻被害以前から経年劣化が見られた箇所
- 風災以外の原因が大きいと思われる変色やサビ、カビ、浸食など
- 保障対象箇所の加工や据え付け工事
台風・竜巻被害の保険金
台風・竜巻被害で保険金がおりるのは、損害額が200,000円を超えた場合です。損害額と保険金は以下のようにして決まります。
- 損害額/修理する場合に必要となる金額から、修理時に交換した材料の価値(まだ使用可能な材料の価値)を差し引いた金額
- 保険金額/損害額から免責金額(平均50,000円)を差し引いた金額
屋根の工事費は想像以上に高額となるケースが多いです。
例えば、台風の強い雨風で屋根の塗料が剥げてしまった場合、塗り直しにかかる費用相場は300,000~1,500,000円。剥がれたり割れたりしてしまった屋根の瓦を積みなおすには、500,000~1,800,000円ほどかかります。屋根にひび割れが見られた場合は、300,000~1,000,000円、それに伴う雨漏り修繕は200,000~2,500,000円かかることも。そのほとんどの費用を火災保険で負担してもらえるのですから、利用しない手はありません。
台風・竜巻被害の必要書類について
台風・竜巻被害にあった場合、台風・竜巻被害に提出する書類は以下4つの書類を用意します。
- 保険金請求書/保険金請求者の署名・捺印・保険金受取口座などを記載
- 事故状況説明書/事故発生日と発生場所・破裂や爆発の原因などを記載
- 修理見積書/建築物の修理費用・破損物の修理費用などの見積もり・明細書を提出
- 損害物の写真
提出書類の1つ「損害物の写真」ですが、2階以上の屋根の損傷を撮影するのはとても危険な行為。保険会社への申請前に、まずは専門業者へ調査を依頼することをおすすめします。専門業者に見てもらえば、プロの目で見積もりしてもらえますし、2階の屋根の写真撮影だってお任せできます。保険会社への連絡は、書類がそろってからでOK。保険申請の期限は「被害を受けてから3年以内」なので、問題はありません。
ほとんどの場合、保険会社は「一般社団法人 日本損害保険協会」の鑑定会社に経年劣化のチェックを依頼します。そして、保険金の詳細は鑑定会社の報告を元に決められる仕組みです。鑑定会社に見てもらう前に専門業者に見てもらっておけば、経年劣化扱いになるのか、はたまた風災扱いなのか、しっかりと確信を持てますよ。
人気火災保険の風災に対する補償内容
火災保険で補償されるのは火災だけではありません。風災に関する補償も基本補償の中に入っているものが多いのですが、具体的な内容は各火災保険によって異なるので、事前に良く確認しておくことをおすすめします。
人気商品を紹介しましょう。
- 楽天損保/ホームアシストの風災補償
ホームアシストでは、風災への補償も充実しています。まず、ワイドプランでは自己負担額なしで補償が受けられるのが魅力です。ベーシックプラン、エコノミープラン、フリープランも風災補償の対象となっていて、こちらでは自己負担額を自分で選べるので、最適な金額をチェックしてみましょう。
支払いの条件は、保険の対象が負債により被害を受けた場合となっており、支払われる金額は、保険金額を限度として損害額(修理費)-免責金額(自己負担額)です。
風災では、洪水、高潮といったものが含まれないのですが、これらに関しては「水災」の方で対可能となっています。また、水災については、エコノミープラン以外は特約等により補償を外すことが可能です。
- 三井住友海上/GKすまいの保険の風災補償
シンプルでわかりやすいのが魅力の保険です。風災に対してしてもしっかりと補償してもらえるので安心できるでしょう。風災によって窓ガラスや屋根が破損してしまった場合にも保険の対象となります。
GKすまいの保険では3つのプランがあり、そのうち1つはマンション等の共同住宅専用となるのですが、風災については、6つの補償プラン、5つの補償プラン、マンション向けの4つの補償+破損汚損プランのすべてで対象となっているので安心です。支払い件数の割合は35%、支払い金額の割合は43%となっているとのこと。
この補償では、台風などの影響で建物・家財が損害を受けた場合に対象となるのですが、保険の対象が建物のみだった場合、家財の損害は補償されないので気をつけておきましょう。
- 東京海上日動/トータルアシスト住まいの保険の風災補償
トータルアシスト住まいの保険は火災だけでなく、風災にもしっかりと備えられる保険です。大きな特徴ともいえるのが、ただ単にその風災自体を補償の対象としているわけではなく、復旧に必要な修理費も対象になるということ。
例えば、風災で損害を受けた部分を修理するためには、その周辺など直接的な損害を受けていない部分の修理や取りかえが必要になるケースもありますよね。そういった場合も損害保険金として支払いが受けられるのです。損害部分の修理で費用がかかった場合には、それらを費用保険として支払ってくれるわけなので、安心して過ごしていくことができるでしょう。
トータルアシスト住まいの保険では戸建充実タイプ、戸建スタンダードタイプ、マンション向けタイプがありますが、すべて風災の補償が受けられます。
- 損保ジャパン日本興亜/THEすまいの保険の風災補償
例えば、台風で強風によって運ばれてきたものが家を直撃し、壁に穴が空いてしまったようなケースでは、風災の対象となります。
対象となるのは、台風、旋風、竜巻、暴風に関するもの。洪水や高潮が原因で発生したものは対象外となりますが、こちらは「水災」の対象範囲となるので、合わせて確認しておきましょう。
プランは、戸建てプランとマンションプランがあり、風災については、戸建てプランでもマンションプランでもすべてのコースで対象となるので安心ですね。
また、全プランで「費用保険金」というものが自動的にセットされることになります。この中には「残存物取り片付け費用保険金」というものが含まれていて、損害保険金が支払われる際に損害を受けた保険対象の残存物の片付けに必要な費用を出してもらえるもの。不用品が出た場合に役立ててみましょう。
- あいおいニッセイ同和/マイホームぴたっとの風災補償
風災にも対応できるように、しっかりと補償が整えられています。ワイドプラン、レーシックプラン、エコノミープランといった3つがあるのですが、いずれも風災の対象になるので安心できますね。
ポイントとして挙げられるのが、風災の他、雹(ひょう)災、雪災に関しては、損害の金額が20万円以上の場合のみ補償される免責金額なしのタイプを選択することも可能となっています。ただ、こちらを選択した場合にはすべての自己で共通に免責金額なしになるので注意しておきましょう。
風災に関しては、建物の他、家財も対象とすることが可能で、強風でガラスなどが破損した場合の他、破損した窓から風雨が吹き込んで室内の家具が損害を受けた場合などにも役立ちます。
- AIG損保/ホームプロテクト総合保険の風災補償
主な契約プランとして、AプランからFプランまで用意されています。各プランによって補償される内容が違ってくるのですが、風災の他、雹(ひょう)災・雪災はすべてのプランで補償対象となっているので、安心できるでしょう。
この他にオプションとして、費用補償が受けられるものが用意されています。風災に関して言えば、「残存物取片づけ費用保保険」をチェックしておきましょう。これは、保険金が支払われるような損害が生じた際に、残存物があればそれを片付けるためにかかった費用を補償してもらえる保険のこと。
損害保険金の10%に相当する額を限度とし、実際に支出した金額が補償されます。台風被害で廃棄が必要になったものなどを処理するのに役立てましょう。
- セコム損保/セコム安心マイホーム保険の風災補償
セコム安心マイホーム保険では、ワイドプラン、ベーシックプラン、スリムプランといった3つのプランが用意されています。プランによって補償内容が変わるのですが、風災(ほか雹災・雪災)に関してはすべてのプランで補償対象となっているのが嬉しいですね。基本的に、補償ではすべての事故による損害に対して免責金額が設定されていないのですが、風災などに関しては10万円または20万円の免責金額を設定することが可能です。 基本的な補償として組み込まれているものなので、万が一の台風被害などにもしっかりと備えられるでしょう。
- セゾン自動車火災保険/じぶんでえらべる火災保険の風災補償
風災にも備えられる保険です。台風などによって暴風雨が起こり、その自然災害で阻害が発生した場合に保険金が支払われます。
また、この保険で支払われる費用としては、事故のあとの片付け清掃や搬出などの片付け作業にかかる残存物取片づけ費用も含まれているので、不要になったものを処分する際にも役立ってくれるでしょう。
一般的に、風災に関しては基本プランに入っているところが多いのですが、中には不要な方もいますよね。そのため、こちらの保険では風災に関する補償も選択可能となっています。自分にとって本当に必要なものだけを選択したいと思っている方も嬉しいですね。