火災保険は保険料控除対象になる?確定申告はどうすればいい?
火災保険で支払った保険料は、確定申告をすることで控除の対象となるのでしょうか?火災保険と控除に関連して、詳しく解説します。
火災保険は保険料控除の対象とならない
火災保険の保険料は、保険料控除の対象とはなりません。よって、確定申告をしても控除されないことを理解しておいてください。
平成18年、政府は税制改正によって損害保険料控除制度の廃止を決定。これに基づき、平成19年1月1日より新たな損害保険料控除制度をスタートさせました。新たな損害保険料控除制度のもとでは、原則として火災保険の保険料が控除の対象から外されています。
地震保険が控除の対象として新設
平成19年1月1日から実施された新たな損害保険料控除制度において、地震保険料控除制度が新設されています。控除額は以下の通りです。
支払い保険料が50,000円以下の場合
- 所得控除…保険料の全額
- 個人住民税控除…保険料全額の½
支払い保険料が50,000円以上の場合
- 所得控除…50,000円
- 個人住民税控除…25,000円
阪神淡路大震災が起こる1年前の1994年には、全国の地震保険加入率は9.0%。震災を経て徐々に加入率が上昇し、東日本大震災や熊本地震を経た2016年現在では、全国の地震保険加入率は30.5%となっています。
東海地震や南海地震、首都圏直下型地震の発生が予想されている昨今、政府は広く地震保険への加入を促進中。地震保険の控除制度は、政府による促進活動の一環とも言われています。
経過措置として保険料が控除される種類の火災保険もある
平成19年から廃止された火災保険の控除制度ですが、一部の契約形態をとる火災保険の中には、経過措置として控除の対象となるものがあります。以下の1〜4を同時に満たす火災保険の場合、保険料が控除の対象となるので確認してください。
- 保険期間の開始時期が平成18年12月31日以前であること。
- 保険期間の満了時に、満期返戻金が生じるタイプの保険であること。
- 保険期間が10年以上であること。
- 平成19年1月1日以降に、保険料の変更を伴う契約内容の変更がないこと。
平成18年以前から加入している火災保険であれば、上記の4つの条件を満たしている可能性が十分になります。改めて契約内容を確認してみるようにしましょう。
なお、事業用の資産に対する火災保険については、事業所得等の経費扱いで全額控除することが可能です。個人資産に対する火災保険と分けて理解をしておいてください。