火災保険の名義変更をする際の注意点
贈与や相続などで建物の所有者名義が変更になった場合、加入済みの火災保険の名義も変更しなければなりません。ここでは、火災保険の名義変手続きに関して詳しく説明します。
建物の「贈与」による火災保険の名義変更
贈与で建物の所有者名義が変更された場合、火災保険の契約者や被保険者名義も変更する必要があります。 火災保険の名義変更がなされなければ補償が受けられない、というわけではありませんが、保険金の受給等の手続きをスムーズに行なうためにも、速やかに名義変更の手続きをしたほうが良いでしょう。
名義変更をするうえで必要となる書類は、「火災保険契約内容変更届出書」。保険会社によって、呼び名が異なることがあります。名義変更に関わらず、火災保険の内容の変更において、広く用いられる書類です。この書類に必要事項を記入して保険会社に返送すれば、名義変更手続きは完了です。
詳しい記入方法は、保険会社や保険代理店に尋ねるようにしてください。
建物の「相続」による火災保険の名義変更
被保険者や契約者の死亡に伴い、建物の相続による名義変更が生じた場合、あわせて火災保険の名義変更も速やかに行ないましょう。 相続に伴う火災保険の名義変更手続きは、贈与における名義変更手続きと大きな違いはありません。保険会社に問合せのうえ、火災保険契約内容変更届出書」を取り寄せ、必要事項を記入のうえ返送してください。
なお、相続による火災保険の名義変更の場合、その保険が「掛け捨て型」であれば問題ないのですが、「積み立て型」であれば少々手続きが厄介になります。 なぜなら、「積み立て型」の火災保険は、掛け金自体が相続財産の一部となってしまうからです。よって「積み立て型」の火災保険の名義変更を行なう場合には、すべての相続人による承諾が必要です。のちのちの親族同士のトラブルにならないよう、相続人が全員納得のうえで名義変更手続きを進めていくようにしてください。
なお、相続が発生する時期は、葬儀や火葬、埋葬などの非常に忙しい時期と重なります。寝る暇もないような忙しさの中で、火災保険の名義変更をする心の余裕など、ないかも知れません。 仮に、多忙の中で名義変更手続きを忘れていたとしても、補償は続いているので安心してください。住宅に万が一のことがあったとしても、間違いなく保険金は支給されます。 ただし、名義変更を行なっていない状態で保険金請求をした場合、手続きが煩雑になることも事実。葬儀等の慌ただしい時期が過ぎたら、速やかに名義変更手続きをしておくようおすすめします。